4月28日 --Coloradoでスキー--


昨日は赤い土の砂漠に居たのに、今日は白い雪山にいる。10,800 feet (3292 m) は4月、いや6月でもスキーが十分できる高さだ。Arapahoe Basinはアメリカでも 最も標高が高いスキー場だ。リフトは5本しか無く、しかも全て遅いのだが、 そんなことよりも、今日スキーができるということが大切なのだ。しかもリフト券は オフシーズン価格で1日たった$29だった。私は「Exhibition」という名前のリフトで 山の中腹まで行った。リフトの下にはこぶの急斜面があった。リフトの名の通り、 このコースを降りるスキーヤーはリフトに乗っている人に見物されるのだ。 私はこの斜面をとっても滑りたくなったが、まずウォーミングアップが必要だと 思った。私は楽な斜面を滑り、同じリフトに乗った。今度は我慢できず、 「Exhibition」に挑戦した。しかし、もっとウォーミングアップするべきだったと 後悔した。 ひどい滑りだった。私はもう一度リフトに乗り、ウォーミングアップをした。 左側の斜面にはこぶがなく、ここを滑った。そして、十分体が温まった 頃に再度「Exhibition」に挑戦した。今度は我ながらうまく滑れたと思う。 2回目の滑りに満足したので、山の右斜面にある上級者コースへ行くことにした。 ここも非常に急で、すぐにお腹がすいてきた。 午後にも、私は林間の急斜面やこぶ斜面を堪能した。

16:00に最終リフトが止まった。私は運転する準備をし、I-70号を目指した。 途中私は峠を通過し、そこで「大陸の分水嶺」と書かれた看板を見つけた。 これは感動的で、しかもLoveland峠という名前も何とも言えずよかった。 昨日は、太平洋に流れるColorado川に沿って走っていたのに、今日からは 大西洋に流れる川に沿って走ることになるのだ。 I-70号に入り、私は「東だ、東に行くのだ!」と叫んだ。 明日からは東への長い旅が待っているのだ。

Denverへは2時間で着いた。私はダウンタウンの近くのモーテルに泊まった。 私は中華料理が食べたくて仕方なかったので、ダウンタウンまで車を走らせた。 メインストリートを歩きながら私は中華料理の店を探した。しかしもう20:30で ほとんどのレストランが閉まっていた。かろうじてマクドナルド、サブウェー、 そしてバーが開いているだけだった。マクドナルドは大都市の現実の象徴だ。 大都市はいつも孤独な旅行者や独り身に冷たい。確かに 街頭や時計台、街路樹で飾られた16thストリートはきれいだ。でも それが、私やテーブルの向こうでハンバーガーを食べているおっさんにどうだ というのだ。 大都市に独りで住むのは砂漠に独りで住むのにひとしい寂しさがある。 私はふと「東京砂漠」を思い出した。私にとっては自然の中で一人で居る方が よっぽどましだ。母なる大地、風のにおい、水の感触を触れ、感じることが できるのだ。大都市では周りに人がいっぱい居るくせに彼らのぬくもりを感じることは 滅多にない。私がこう感じるのは英語力が不足しているせいでもある。 もちろん私は英語で意志を伝えることくらいはできる。でも、これは言葉の 一つの役割にしか過ぎない。カウンターの向こうのお高く止まったギャルや、 ガソリンスタンドのいかめしいおっさん、そこら中にいる沈黙した人々と 仲良くうち解けるには、くだらない話題と正しい話の持って行き方が必要なのだ。 そして最後に、この寂しさは、家族を日本において勝手な旅をしている 罰であるとも言えよう。

Arapahoe Basinスキー場

山の頂上から

急な林間コース

ここが大陸分水嶺だ


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